
無痛分娩
無痛分娩は予約制です。
ご希望の方は診察時に医師へご相談ください。
当院に初めて受診される方や、前回いらしたときと違う内容で受診される場合には、問診票をご記入いただきます。
スムーズに受診手続きをなさりたい時や、ご自宅でゆっくり問診票をお書きになりたい場合には、事前にダウンロードしてご記入いただけます。
無痛分娩について
当院では、ご希望される患者さまへ麻酔科医による硬膜外麻酔を使用して陣痛の痛みを和らげる計画無痛分娩をおこなっております。
ただし麻酔の効果には個人差があり、完全に陣痛の痛みをとるものではありません。
無痛分娩の方法
- お母さまにモニターを付けて、赤ちゃん・血圧・心電図などの管理をしながら低血圧予防のために点滴をはじめます。
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横向きで寝ていただき、背中の消毒・針を刺す部分に局所麻酔をします。
そこへ硬膜外麻酔用の針を刺して、硬膜外腔に細いカテーテルを入れ固定します。 - カテーテルからテスト用の局所麻酔薬を少量入れて様子をみます。
- 血圧や脈拍、体温などの管理をします
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数分後、異常がないことを確認して麻酔薬を入れて硬膜外麻酔を開始します。この時麻酔が効きにくいまた効かなかった場合はカテーテルの位置調整や再挿入をすることがあります。または、まれに脊椎くも膜下麻酔の追加をおこなうことがあります。
- 麻酔が効いてくると足腰が暖かくなり、しびれる感じがします。
(麻酔が効いてくるまで約10~20分で効果が表れます)この状態で出産をおこなっていきます。 - 出産を終えましたら麻酔は終了し、産科的な処置が終わりましたらカテーテルを抜きます。数時間後にはご自身で歩行することも可能ですし、授乳への影響もありませんので出産後から授乳することができます。
出産までの流れ
無痛分娩をご希望の方は、妊婦健診時に医師へお伝えください。
医師より詳しい説明があります。
出産前日
15:00入院。翌日の出産に備えてゆっくりリラックスしてお過ごしください。
※22:00以降飲み物以外は摂ることはできません。
出産当日
嘔吐と誤嚥予防のため、当日お食事はできません。水分は摂取していただいて結構です。
- 7:00
- 陣痛室又は分娩室にて点滴を開始しますので、お手洗いを済ませてください。
胎児の心拍数を測る装置を装着します。 - 7:30
- 陣痛促進剤を挿入開始します。
- 9:00
- 麻酔科医による硬膜外麻酔を開始します。
カテーテルを入れる前に、背中の消毒・針を刺す部分に局所麻酔をします。
局所麻酔をした部分からカテーテルを入れます。(約10~15分で痛みの感覚が鈍ってきます。)
※陣痛や出産の進行は個人差があります。
※経産婦さんでしたら早ければ昼頃にはお産になります。
※お産の進行がなかなか進まず当日に出産にいたらなかった場合は、
一度麻酔を抜去して通常の出産になる場合があります。
無痛分娩のメリット
- 出産時の痛みが大きく軽減されます。ただし、完全になくなることはありません。
- 痛みが少なくなることで、リラックスでき体力の消耗を最小限に抑えることができます。
- 麻酔が効いているので、外陰部や膣の裂傷が起きたときの縫合時の痛みがありません。
- 緊急の帝王切開を行う時、速やかに手術にとりかかることができます。
無痛分娩のデメリット
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分娩遷延(ぶんべんせんえん)
麻酔の影響でお産の進みがゆっくりとなり、お産時間が長引く場合があります。また、出産時に器械分娩(吸引分娩や鉗子分娩)が必要になる可能性が高くなります。 -
血圧低下・吐き気
麻酔がよく効くと血管が拡がり血圧が低下します。それにより、胎盤血流量が減少し胎児に影響がでることがあります。母体には脳の血流が減少して吐き気や嘔吐が起きることがあります。
これは点滴や昇圧剤で対応し回復します。 -
頭痛
まれに硬膜外麻酔によって頭痛がおきることがあります。ほんとが自然に改善します。改善しない場合は、診察し対応します。 -
神経障害
まれにおこる合併症のうちの1つです。麻酔針を刺した部位の痛みや、神経に沿った痛み、感覚などの麻痺などの神経障害があらわれる場合があります。これは硬膜外麻酔によるものだけではなく、出産中の体位や長時間同じ姿勢のままいることによる神経の圧迫による麻痺がおこることもあります。たいていは数日で消失しますが、まれに数カ月持続することがありますので、注意深く診察させていただきます。 -
局所麻酔中毒
極めてまれに、局所麻酔薬の濃度が上昇しすぎて麻酔中毒をおこす場合があります。舌のしびれ、けいれん、血圧上昇などの症状があります。症状があらわれた場合には迅速に適切な対応をいたします。 -
硬膜外血腫
極めてまれに、カテーテルを入れた近くに血腫ができることがあります。血腫とは、血の固まりのことです。症状は、カテーテルを抜いたあとに足の痛みやしびれなどがあります。頻度は非常にまれで10万人に0.1~0.2人です。血が固まりにくい方や血を固まりにくくする薬やサプリを服用している方は、血腫ができやすいので事前に医師へご相談ください。
無痛分娩は良い点もありますが、残念ながらデメリットが全くないとは言えません。万全の注意を払い処置をいたしますが、副作用や合併症が生じた場合は適切かつ迅速な処置をおこないます。必要に応じて、連携している高次医療病院への搬送も考慮いたします。
費用について
当院の無痛分娩費用は、通常の分娩費用に加え一律14万円です。
麻酔をして効果が不十分だった場合も、無痛分娩費用は一律にかかります。万が一、無痛分娩の最中に帝王切開に移行する場合は、別途帝王切開のための管理料が発生しますが、こちらは保険診療の対象になります。
入院前に保証金として24万円(無痛分娩費用14万円+保証金10万円)を納めていただきます。こちらは退院時にご精算いたします。
無痛分娩をご希望されて、入院した翌日までに分娩に至らなかった時は分娩促進をして通常分娩となります。この場合も、無痛分娩費用は一律14万円かかります。